私たちが、感覚栄養学が重要であると考え始めたのは、30年来続けているポリフェノールの研究が基盤となっています。
1.渋味の生理作用の解明
渋味を呈するポリフェノールは交感神経活動亢進作用によって、
エネルギー代謝の亢進や循環刺激を示すことを見出しました。
渋味ポリフェノール摂取後のラット挙睾筋血流動態の変化
Y字に見えるのが挙睾筋細動脈.投与前では血流が目視できるが、摂取5分後には血流上昇により目視できなくなる
これらの変化は、交感神経活動の亢進によることが分かりました
交感神経活動の亢進は脂肪細胞を大きく変化させることが分かっています。
実際には脂肪細胞は、①脂肪をため込む白色脂肪細胞、②エネルギー熱に変えて痩せ体質を作る褐色脂肪細胞、③その中間の性質を持つベージュ脂肪細胞の三種類があることが知られています。
渋味ポリフェノールによって交感神経活動が亢進すると、白色脂肪がベージュ脂肪細胞へと変化しました。
渋味ポリフェノール摂取後のマウス鼠径部脂肪のベージュ化
反復摂取することで脂肪サイズが顕著に縮小し、ミトコンドリアが増え、熱産生する細胞(ベージュ脂肪細胞)に変化している
その他にも、渋味ポリフェノールを摂取することで、骨格筋重量の増加、血管新生の亢進などが認められました。
【現在の研究テーマ】
渋味ポリフェノールの摂取には、以下のような様々な作用が報告されています。
・抗炎症作用:神経変性疾患などの炎症性疾患の予防
・感覚器官の維持:目(加齢性黄斑変性症・白内障など)、加齢性難聴、味覚嗅覚機能の保全
これらの有用性とそのメカニズムを解明していきます。
渋味ポリフェノールの摂取には、以下のような様々な作用が報告されています。
・抗炎症作用:神経変性疾患などの炎症性疾患の予防
・感覚器官の維持:目(加齢性黄斑変性症・白内障など)、加齢性難聴、味覚嗅覚機能の保全
これらの有用性とそのメカニズムを解明していきます。